法人の資金調達において、融資を受けることは一般的な手段と言えます。
そして、融資の中には大きく分けて「無担保融資」と「担保付き融資」の2種類が存在します。
本記事では、無担保融資と担保付き融資の違い、法人が資金調達に利用できる無担保融資の種類、無担保融資と担保付き融資のどちらを利用するかを見極めるポイントなどについて、分かりやすく解説します。
目次
無担保融資とは
無担保融資は、文字通り担保を必要としない融資形態です。
法人が資金調達を行う際、不動産などの物的担保や、代表者保証などの人的担保を差し入れることなく、金融機関から借り入れができます。
担保設定が不要なため、手続きが比較的簡便で、スピーディーな資金調達が可能です。
事業の運転資金や新規事業の立ち上げ資金など、様々な使途で利用されています。
ただし、担保がない分、金融機関にとってはリスクが高くなるため、審査は担保付き融資と比較すると厳しくなる傾向があり、金利も高めに設定される場合があります。
また、借入限度額も、担保付き融資に比べると低く抑えられるのが一般的です。
無担保融資は、企業の信用力や事業の将来性が重視されるため、多くの場合、事業計画の提出が求められます。
「担保付き融資」との違い
担保付き融資は、不動産などの物的担保や、代表者等の人的担保を必要とする融資です。
無担保融資とは異なり、万が一返済が滞った場合、金融機関は担保権を実行して貸付金を回収します。
担保があることで金融機関側のリスクが軽減されるため、無担保融資と比較して審査が通りやすく、金利も低めに設定され、融資限度額も大きくなる傾向があります。
しかし、担保提供には、不動産登記などの手続きや費用が発生し、時間もかかる点がデメリットです。
無担保融資と担保付き融資(人的担保・物的担保)の違いを表でまとめました▼
無担保融資 | 担保付き融資(人的担保) | 担保付き融資(物的担保) | |
担保 | 不要 | 代表者等の個人保証 | 不動産、有価証券など |
審査 | 比較的厳しい | 無担保融資に比べると通りやすい | 無担保融資、人的担保に比べると通りやすい |
金利 | 高め | 低め | 最も低い |
融資限度額 | 低め | 無担保融資に比べると高額 | 高額 |
手続き | 比較的容易 | 比較的容易 | 担保評価、登記などで時間を要する |
資金調達までの期間 | 短期間(場合によっては即日融資も可能) | 無担保融資に比べると時間を要する | 長期間(担保評価、登記などで時間を要する) |
返済不能時のリスク | 債務者本人の信用情報に傷がつく | 保証人に返済義務が生じる | 担保物件を失う |
その他 | 事業計画の内容が重視される場合がある | 連帯保証人を求められるケースもある | 不動産担保ローンは融資期間が長めに設定できる場合がある |
どちらの融資が適しているかは、法人の状況、資金使途、返済計画などによって異なります。
例えば、創業間もないスタートアップ企業で担保にできる資産がない場合、無担保融資が選択肢となります。
一方、長期かつ高額の資金調達が必要な場合は、不動産等を担保にした担保付き融資が適していると言えるでしょう。
自社の状況をしっかりと把握し、最適な資金調達方法を選択する必要があります。
法人が資金調達に利用できる無担保融資の種類
法人が利用できる無担保融資には、以下のようなものがあります。
- 日本政策金融公庫の融資制度
- 地方自治体の融資制度
- 銀行融資
- ビジネスローン
- カードローン
- ファクタリング
日本政策金融公庫の融資制度
日本政策金融公庫は、国が100%出資する政府系金融機関であり、中小企業・小規模事業者を支援しています。
無担保・無保証人で利用できる融資制度もあり、例えば「新創業融資制度」は、これから創業する方や創業間もない方が対象です。
運転資金や設備資金など、創業資金全般に利用できます。
「中小企業経営力強化資金」は、経営力強化に取り組む事業者が対象で、事業計画書の提出等が必要となる場合があります。
商工会議所・商工会と連携した「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」は、経営指導を原則6か月以上受けた小規模事業者が無担保・無保証人で利用でき、商工会議所・商工会の長の推薦が必要です。
経営改善に必要な運転資金・設備資金を、原則2,000万円まで、運転資金は7年以内、設備資金は10年以内で返済する条件で借りられます。
日本政策金融公庫の融資は、比較的低金利で、返済期間も長めに設定できる場合があります。
ただし、融資には審査があり、事業計画書などの提出を求められるのが一般的です。
融資限度額、金利、返済期間は、融資制度の種類だけでなく、申込者の事業内容、経営状況、過去の取引実績など、様々な要素によって個別に決定されます。
地方自治体の融資制度
地方自治体も、地域経済の活性化を目的として、中小企業や小規模事業者向けの融資制度を設けています。
多くの場合、信用保証協会と連携し、無担保・無保証人での融資を提供しています。
制度の内容は自治体によって異なりますが、低金利で融資を受けられる場合や、特定の業種や事業に対して優遇措置を設けている場合があります。
例えば、創業支援に力を入れている自治体では、創業間もない企業向けの無担保融資制度を用意していることがあります。
銀行融資
銀行は、法人向けの無担保融資も取り扱っています。
銀行の融資は、主に信用保証協会の保証付き融資とプロパー融資の2つの形態に分けられます。
信用保証協会の保証付き融資
信用保証協会の保証付き融資は、銀行が融資を行う際に、信用保証協会が保証人となる形態の融資です。
万が一、借り手が返済できなくなった場合には、信用保証協会が銀行に対して代わりに返済(代位弁済)を行います。
これにより、銀行は貸し倒れリスクを軽減できるため、中小企業や小規模事業者であっても、プロパー融資に比べて融資を受けやすくなるというメリットがあります。
ただし、この融資を利用する際には、借り手は信用保証協会に対して所定の信用保証料を支払う必要があります。
保証付き融資を利用する場合、銀行と信用保証協会の両方の審査を通過する必要があり、決算書や事業計画書などの提出が求められます。
プロパー融資
プロパー融資とは、銀行が独自の審査基準に基づいて、直接企業に無担保で融資を行う形態です。
信用保証協会の保証は付かないため、銀行にとっては貸し倒れリスクが高くなります。
そのため、プロパー融資の審査は一般的に厳しく、実績のある大企業や優良企業でないと利用が難しい傾向にあります。
金利は、信用保証協会の保証付き融資と比較すると低く設定される場合がありますが、他の無担保融資(例えば日本政策金融公庫の制度など)と比べると、高めに設定されることもあります。
融資を受けるためには、決算書や事業計画書など、詳細な資料の提出を求められます。
銀行融資を利用する際は、自社の経営状況や資金ニーズに合わせて、保証付き融資とプロパー融資のどちらが適しているかを検討する必要があります。
銀行融資につきましては、こちらの記事もあわせてご参照ください▼
法人向け銀行融資の種類|審査に通るポイントや条件、流れも解説
ビジネスローン
ビジネスローンは、主に中小企業や個人事業主を対象とした、事業資金専用の無担保融資です。
金融機関や貸金業者が提供しており、銀行融資と比較して審査がスピーディーで、融資までの時間が短いのが特徴です。
しかし、金利は高めに設定されていることが多く、融資限度額も比較的低めです。
また、返済期間も短めに設定されている場合が多いので注意が必要です。
カードローン
法人向けのカードローンは、事業資金にも利用できる無担保融資の一種です。
あらかじめ設定された利用限度額の範囲内で、繰り返し借り入れや返済が可能です。
ATMやインターネットを通じて、24時間365日、スピーディーに資金を調達できる点はメリットと言えます。
しかし、法人向けのカードローンは、他の融資方法と比較して、金利がかなり高めに設定されていることが一般的であり、注意が必要です。
安易に利用すると、利息の支払いが経営を圧迫する可能性があります。
また、利用限度額は審査によって決定されますが、希望通りの金額が設定されるとは限りません。
さらに、返済が滞ると、信用情報に傷がつき、今後の資金調達に悪影響を及ぼす可能性もあります。
カードローンは、一時的な資金不足を補うための緊急的な手段としては有効ですが、長期的な資金調達や多額の資金調達には不向きです。
ファクタリング
ファクタリングは、企業が保有する売掛債権(売掛金)をファクタリング会社に売却することで、早期に資金化する手法です。
融資とは異なり、借入には該当しません。
そのため、無担保で利用でき、審査も比較的柔軟です。
ファクタリングには、主に2種類あります。
「買取型ファクタリング」は、売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらう方式で、手数料を支払うことで、売掛金の回収リスクをファクタリング会社に移転できます。
「保証型ファクタリング」は、売掛債権の回収を保証してもらう方式で、売掛先が倒産した場合などに、保証金を受け取ることができます。
ファクタリングにつきましては、こちらの記事もあわせてご参照ください▼
ファクタリングで資金調達するメリット・デメリットを解説!注意点も解説
無担保融資と担保付き融資、どちらにするかを見極めるポイント
法人が資金調達手段として、無担保融資と担保付き融資のどちらにするかを見極めるポイントは以下の4点です。
- 資金調達の緊急性
- 融資額
- 担保・保証人の有無
- 申込条件
資金調達の緊急性
資金調達を急ぐ場合は、無担保融資が適している場合があります。
無担保融資は、担保の評価や登記手続きが不要なため、担保付き融資と比較して審査が早く、融資実行までの時間が短い傾向があります。
ビジネスローンやカードローンなど、最短即日で融資可能な商品もあります。
一方、担保付き融資は、担保物件の評価や登記手続きに時間がかかるため、資金調達までに数週間から1ヶ月以上かかることもあります。
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融資額
無担保融資は手続きが簡便でスピーディーですが、担保付き融資と比べて融資限度額は低くなる傾向があります。
金融機関にとって担保がない分、貸し倒れリスクが高くなるためです。
数百万円程度の小規模な資金調達(例えば短期的な運転資金や小規模設備投資など)には、無担保融資が適している場合があります。
しかし、数千万円、数億円といった高額な資金調達(例えば事業拡大のための大規模設備投資やM&A資金など)には、無担保融資では対応が難しいことが多いです。
その場合は、不動産などを担保とする担保付き融資を検討することが一般的です。
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担保・保証人の有無
担保にできる資産や保証人の有無は、融資方法の選択に大きく影響します。
不動産などの物的担保、あるいは代表者保証などの人的担保を提供できる場合は、担保付き融資の利用が可能です。
担保を提供することで、金融機関の貸し倒れリスクが軽減されるため、一般的に無担保融資よりも有利な条件(例えば、より低い金利や、より高額な融資)で借り入れできる可能性が高まります。
担保価値が高いほど、融資条件は有利になる傾向があります。
一方、担保や保証人を用意できない場合は、無担保融資を選択することになります。
無担保融資では、担保付き融資と比較して、企業の信用力(経営者の経験や実績、財務状況など)や事業の将来性(成長性、収益性など)がより重視されます。
そのため、事業計画の具体性や実現可能性が、審査において重要なポイントとなります。
申込条件
無担保融資と担保付き融資では、申込条件が異なる場合があります。
例えば、無担保融資の中には、決算書や事業計画書の提出が不要な商品や、オンラインで申し込みが完結する商品もあります。
一方、担保付き融資の場合は、担保物件に関する書類(不動産登記簿謄本など)や、場合によっては保証人に関する書類の提出が求められます。
また、金融機関によっては、業種や事業年数、財務状況などによって、融資の可否や条件が変わることがあります。
それぞれの融資商品の申込条件をよく確認し、自社が条件を満たしているかを確認することが重要です。
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そのため、「経営している会社の赤字が続いている」「信用情報に自信がない」「他社で融資を断られてしまった」といったお客様にもご利用いただけます。
無担保融資を踏み倒すとどうなる?
無担保融資は、担保がないからといって、返済義務を免れるものではありません。
返済が滞ると、まず金融機関から電話や書面で督促を受けます。
それでも返済に応じない場合、遅延損害金が発生します。
遅延損害金は、通常の金利よりも高い利率が設定されていることが一般的で、返済が遅れるほど負担が大きくなります。
さらに、信用情報機関に延滞情報が登録され、いわゆる「ブラックリスト」に載ってしまいます。
こうなると、新たな融資を受けることや、クレジットカードの作成、ローンの契約などが非常に難しくなります。
金融機関は、最終的に法的手段に訴えることもあります。
裁判所から支払督促や訴状が届き、財産(預金口座や給与など)の差し押さえを受ける可能性があります。
法人の場合は、代表者個人が連帯保証人になっているケースも多く、その場合は代表者個人の財産も差し押さえの対象となります。
無担保融資の踏み倒しは、会社の信用を失墜させ、その後の事業継続を困難にするだけでなく、代表者個人の生活にも大きな影響を及ぼします。
法人の資金調達では、無担保融資と担保付き融資を組み合わせることも一般的
法人の資金調達において、必ずしも無担保融資か担保付き融資のどちらか一方を選ぶ必要はありません。
事業の状況や資金使途に応じて、両者を組み合わせることも有効な戦略です。
例えば、緊急性の高い運転資金の一部を無担保融資で調達し、残りのまとまった資金を不動産担保ローンなどの担保付き融資で調達するといった方法が考えられます。
無担保融資で迅速に資金を確保しつつ、担保付き融資で低金利かつ長期の返済計画を立てることで、資金繰りの安定化を図れます。
また、はじめは無担保融資を利用し、事業が軌道に乗ってから担保付き融資に切り替えるという方法もあります。
創業期や新規事業の立ち上げ時は、実績が乏しいため、担保付き融資の審査に通らない、あるいは希望する融資額に届かないことがあります。
まずは無担保融資で事業をスタートさせ、実績を積んだ上で、より有利な条件の担保付き融資に借り換えることで、資金調達コストを抑えられます。
あるいは、複数の金融機関から融資を受ける際に、一部を無担保融資、一部を担保付き融資とすることで、リスク分散を図ることも可能です。
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法人の資金調達には、無担保融資と担保付き融資があり、それぞれ特徴が異なります。
無担保融資は手続きが簡単でスピーディーな点が魅力ですが、金利が高め、融資限度額が低いなどのデメリットもあります。
担保付き融資は、低金利・高額融資が可能ですが、審査に時間がかかる、担保が必要といった側面があります。
どちらを選ぶかは、資金調達の緊急性、融資額、担保の有無などを総合的に考慮して決定することが重要です。
また、無担保融資と担保付き融資を組み合わせることで、より柔軟な資金調達戦略を立てることも可能です。
また、無担保融資では対応できない高額な資金調達が必要な場合や、より有利な条件で融資を受けたい場合は、不動産担保ローンが有効な選択肢となります。
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他社で断られた場合でも、諦めずに一度お問い合わせください。
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