中小企業が事業を拡大したり、新たな設備投資を行ったりするためには、事業資金の調達が必要です。
この記事では、中小企業が資金調達するための方法を、
- デットファイナンス(借入型)
- エクイティファイナンス(出資型)
- アセットファイナンス(資産活用型)
- その他
の4カテゴリーに大別してご紹介します。
また、中小企業が資金調達を成功させるためのポイントと注意点についても解説します。
すでに事業を開始している法人様はもちろん、これから開業をお考えの方にもお役立ていただける内容となっておりますので、ぜひご参考になさってください。
目次
中小企業の資金調達方法①:デットファイナンス(借入型)
デットファイナンスとは、銀行をはじめとした金融機関などから融資を受け、事業資金を借入する方法です。
中小企業の資金調達方法の中で、最も一般的な手段と言えます。
返済義務があり、金利が発生しますが、事業の支配権を維持できる点が特徴です。
デットファイナンス(借入型)の具体的な例は以下の通りです。
- 日本政策金融公庫
- 制度融資
- 銀行融資
- 民間金融機関(ノンバンク)
- ファクタリング
- クレジットカードのキャッシング
それぞれ解説します。
日本政策金融公庫
政府系金融機関に分類される「日本政策金融公庫」は、中小企業向けに低金利で融資を行っています。
創業融資や設備投資資金など、さまざまな目的に合わせた融資制度が用意されており、経営状況や事業内容に応じて適切な融資を受けることができます。
特に、新規創業や成長段階にある中小企業にとって、日本政策金融公庫の融資は、事業拡大の重要な資金源となります。
制度融資
制度融資とは、政府や地方自治体、金融機関が連携して、中小企業向けに提供する融資制度のことです。
低金利で長期の返済期間が設定されていることが多く、経営基盤が弱い中小企業でも利用しやすい点が特徴です。
制度融資にはさまざまな種類があり、業種や地域、事業内容によって利用できる制度が異なります。
銀行融資
銀行融資は、中小企業が事業拡大や運転資金調達を行う上で、一般的な資金調達手段の一つです。
銀行融資のメリットとしては、融資額や返済期間をある程度自由に設定できる場合があること、事業計画に関するアドバイスを得られること、そして、銀行融資を受けることは企業の信用力向上につながる可能性があることが挙げられます。
しかし、銀行融資を受けるためには担保や信用力が必要となることが多く、ハードルが高いと感じる中小企業も多いようです。
民間金融機関(ノンバンク)
民間金融機関(ノンバンク)は、銀行以外の金融機関であり、中小企業向けのビジネスローンなどを提供しています。
銀行融資に比べて審査が柔軟な場合が多く、短期間で資金調達できる点がメリットです。
ただし、金利が高い場合や、違約金などのリスクがあるため、慎重に選び、契約内容をよく確認することが重要です。
民間金融機関(ノンバンク)につきましては、こちらの記事もあわせてご参照いただくとさらに理解が深まります▼
ノンバンクから法人融資を受ける際の3つの審査ポイントとは?
ファクタリング
ファクタリングは、売掛金※を金融機関に売却することで、早期に資金化する方法です。
売掛金の回収を待つことなく、すぐに現金化できるため、資金繰りが厳しい中小企業にとって有効な手段となります。
しかし、手数料がかかるため、売掛金の金額によっては、銀行融資よりも高コストになることがあります。
※売掛金とは、商品やサービスを誰かに提供したとき、その代金を「あとで」もらう権利のこと。例えば製造業を営む中小企業の場合、部品を納品した際に、その代金を月末にまとめて支払ってもらう、といったケースが該当する。
クレジットカードのキャッシング
クレジットカードのキャッシングは、短期間で資金が必要な場合に利用できる方法です。
しかし、金利が高く借入額も限られているため、中小企業においては、一時的な資金調達に限定して利用される傾向にあります。
中小企業の資金調達方法②:エクイティファイナンス(出資型)
エクイティファイナンスとは、事業に投資してもらうことで資金調達する方法です。
返済義務はありませんが、出資を受けた分、会社の経営権を一部譲渡することになります。
エクイティファイナンス(出資型)の具体的な例は以下の通りです。
- ベンチャーキャピタルなどの「投資会社」からの出資
- エンジェル投資家・個人投資家などの「投資家」からの出資
- クラウドファンディング
- 私募債(しぼさい)を利用する
それぞれ解説します。
ベンチャーキャピタルなどの「投資会社」からの出資
ベンチャーキャピタルとは、成長性の高いスタートアップ企業に投資することを専門とする投資会社のことです。
大規模な資金調達が可能ですが、経営への関与が深く、事業計画や成長戦略を厳しく評価されます。
また、高いリターンを求められるため、短期間での成長が期待されます。
エンジェル投資家・個人投資家などの「投資家」からの出資
エンジェル投資家とは、自身の資産を元に、ベンチャー企業に投資する個人のことです。
ベンチャーキャピタルと比較して、小規模な資金調達となることが多いですが、経営者との人間関係を重視し、事業の成功を共に目指す傾向があります。
個人投資家もエンジェル投資家と同様に、自らの興味や価値観に基づいて、応援したい企業に投資を行います。
クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人から少額ずつ資金を集める方法です。
近年、注目を集めている資金調達手段で、目標金額が集まらなかった場合、出資額は戻ってくる仕組みが一般的です。
出資者へのリターンとして、製品やサービスの提供、株主になる権利などが用意される場合もあります。
私募債(しぼさい)を利用する
私募債(しぼさい)とは、特定の投資家を対象に発行する社債※のことです。
一般に公開される社債とは異なり、少人数の投資家から資金調達できるため、柔軟な条件で発行することができます。
ただし、発行には専門的な知識が必要で、手続きも複雑になる場合があります。
※社債とは、企業が資金調達のために発行する債券のこと。銀行から融資を受ける代わりに、一般の人々や投資家などから借入するイメージ。お金を貸した投資家などは、見返りとして企業から利息を受け取ることができる。また、一定期間が過ぎると、貸したお金(元本)も還付される。
中小企業の資金調達方法③:アセットファイナンス(資産活用型)
アセットファイナンスとは、自社の資産を担保にして資金調達する方法です。
担保にした資産を売却すると利用できなくなくなる点はデメリットですが、迅速に資金調達できるというメリットがあります。
アセットファイナンス(資産活用型)の具体的な例は以下の通りです。
- 資産売却
- M&A
- 不動産担保ローン
それぞれ解説します。
資産売却
資産売却は、最も一般的なアセットファイナンスの方法です。
売却対象となる資産は、機械設備、在庫品、不動産など多岐にわたります。
機械設備や在庫品の売却は、迅速に資金化できるメリットがありますが、売却価格が変動しやすく、計画的な資金調達には不向きな場合もあります。
不動産売却は、大規模な資金調達には有効な反面、売却までに時間がかかる場合があります。
M&A
M&A(合併・買収)は、企業全体もしくは事業の一部を売却することで、大規模な資金調達を行う方法です。
M&Aは、資産売却よりも複雑な手続きが必要となり、時間がかかることが一般的です。
しかし、企業価値を最大限に引き出すことができ、事業の再編や経営の効率化を図ることも可能です。
不動産担保ローン
不動産担保ローンは、自社が所有する不動産を担保に、金融機関から資金を借入れる方法です。
不動産という安定した資産を担保にすることで、大額の資金を比較的低金利で借入れられるという特徴があります。
このため、事業継続のための運転資金や、不動産の仕入れ資金など、まとまった資金が必要な場合に有効です。
不動産担保ローンの審査ハードルは比較的低く、赤字経営が続いている、過去に債務不履行があり信用力に乏しい、将来性が不安といった理由で銀行などに融資を断られた中小企業も利用できる可能性があります。
また、資金の使い道は自由な場合が多く、事業資金だけでなく、住宅リフォームや教育資金など、さまざまな用途に活用できます。
不動産担保ローンで事業資金を調達する方法につきましては、以下のページもあわせてご参照ください▼
不動産担保ローンで事業資金を調達!法人融資成功ガイド
中小企業の資金調達方法④:その他
ここまでご紹介した、デットファイナンス(借入型)、エクイティファイナンス(出資型)、アセットファイナンス(資産売却型)以外にも、中小企業の資金調達方法は存在します。
ここでは、その具体的な例として、
- 自己資金
- 補助金・助成金
の2つをご紹介します。
1.自己資金
自己資金とは、企業が保有する現金や預金、売掛金、有形固定資産などを指します。
これらを活用することで、外部からの借入や出資に頼らずに事業資金を調達することができます。
自己資金のメリットとしては、返済の必要がないこと、金利がかからないことなどが挙げられます。
ただし、まとまった資金の調達には不向きな場合があり、事業規模の拡大には限界がある点がデメリットとして考えられます。
2.補助金・助成金
補助金・助成金とは、国や地方自治体などが、特定の事業や目的に対して支給する資金のことです。
中小企業に対しては、創業支援、新規事業展開、技術開発など、様々な分野で補助金・助成金が用意されています。
これらの制度を活用することで、低コストで事業を推進することができます。
ただし、採択されるためには、事業計画の策定や申請手続きなど、一定のハードルが存在します。
また、交付要件が厳しく、自由な資金運用が難しい点にも注意が必要です。
資金調達における中小企業の現状
中小企業にとって、事業を拡大したり、新たな設備投資を行ったりするための事業資金をどのように調達するかは、大きな課題の一つです。
資金調達で中小企業が陥りがちな状況は以下の通りです。
- 銀行融資の審査に通りにくい
- 出資を頼るのが難しい
- 借入れに依存する傾向がある
- 赤字経営の企業は資金調達が難しいことがある
それぞれ解説します。
銀行融資の審査に通りにくい
中小企業にとって、銀行融資は従来から一般的な資金調達手段の一つです。
しかし、銀行は与信審査を厳格に行うため、特に創業間もない企業や業績が不安定な企業にとっては、融資を受けるハードルが高いのが現状です。
また、中小企業は事業規模が小さく、担保となる優良資産が少ないことや、借入希望金額が少額であることも銀行融資を受けにくい要因となっています。
出資を頼るのが難しい
中小企業にとって、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの出資は、大規模な資金調達や事業成長の加速に繋がる魅力的な選択肢です。
しかし、これらの投資家たちは、高い成長性と将来性を有する企業にしか投資を行いません。そのため出資は、すべての中小企業が活用できる資金調達手段とは言えません。
また、出資を受けるためには、詳細な事業計画の作成や投資家との交渉など、投資家に対して明確なビジョンと成長戦略を示すための多くの準備が必要です。
さらに、出資を受けることは、経営権の一部を譲渡することを意味します。
これにより、創業者や経営者の意思決定が制約される可能性があります。
借入れに依存する傾向がある
中小企業は、事業拡大や運転資金調達のため、銀行融資をはじめとする借入れに頼りがちです。
借入れには、迅速な資金調達が可能で、経営の自由度を維持できるというメリットがある一方で、返済の義務や金利負担といったリスクも伴います。
借入れへの過度な依存は、経営状況の悪化や成長の阻害につながる可能性があるため、株式市場へのアクセス拡大や内部留保の充実など、より安定的な資金調達手段の多様化を図る必要があります。
赤字経営の企業は資金調達が難しいことがある
赤字経営の中小企業は、銀行融資をはじめとする外部資金の調達が非常に困難です。
金融機関は貸倒れすることを危惧し、赤字経営の中小企業への融資には慎重な姿勢を取ります。
また、投資家も損失の可能性を恐れて出資を躊躇する傾向にあります。
しかし、成長性が高く、一時的な要因で赤字に陥っている企業であれば、事業計画の見直しや収益改善策の提示、政府系金融機関の制度融資の活用などにより、資金調達が可能になるケースもあります。
個人事業主の資金調達方法についての記事はこちら▼
個人事業主がお金を借りるには?審査が通りやすい融資制度や審査のポイントを解説
中小企業が資金調達に成功するためのポイント
中小企業が資金調達に成功するために押さえておきたいポイントと注意点は、以下の通りです。
- 事業計画書を丁寧に作成する
- 支出を削減し、財務状況を改善させる
- 担保を用意する
- 審査が柔軟な資金調達方法を選ぶ
それぞれ解説します。
事業計画書を丁寧に作成する
事業計画書は、事業の魅力を投資家や金融機関に伝えるための羅針盤であり、資金調達において最も重要な書類の一つです。
事業内容、市場規模、競合との差別化、成長戦略など、事業の全体像を具体的に描き、資金の使い道と収益への繋がりを明確に示すことで、投資家や金融機関からの信頼を得ることができます。
専門家や経験者のアドバイスも積極的に活用し、時間をかけて丁寧に作成することで、資金調達の成功確率を飛躍的に向上させることができます。
支出を削減し、財務状況を改善させる
中小企業が資金調達を成功させるためには、健全な財務状況を示すことが不可欠です。
そのため、事業計画書を作成する前に、まずは支出の見直しを行い、不要な経費を削減する必要があります。
在庫の削減や業務効率化など、様々な取り組みによってコストを削減し、利益率の向上を目指しましょう。
また、売掛金の回収を早めることで、キャッシュフローの改善も図れます。
これらの取り組みは、単に資金調達の成功だけでなく、企業の体質強化にもつながり、結果として金融機関や投資家からの信頼度を高めることにつながります。
担保を用意する
中小企業が銀行融資を受ける際、多くの金融機関は返済不能時のリスク回避のために担保を求めます。
そのため、担保を用意しておくことで、無担保ローン以外にも資金調達手段の幅が広がります。
不動産や機械設備、売掛金や特許権など、有形・無形を問わずさまざまな資産が担保として認められます。
審査が柔軟な資金調達方法を選ぶ
銀行融資は安定した資金調達手段ですが、審査が厳しい、融資までに時間がかかるといったデメリットも存在します。
そのため、中小企業がよりスムーズに資金調達を実現するためには、審査が柔軟な他の方法も検討することをおすすめします。
例えば不動産担保ローンは、自社所有の不動産を担保とすることで、比較的短期間でまとまった資金を借入れできる資金調達方法です。
担保となる不動産の評価額に基づいて融資額が決定されるため、事業計画や過去の業績は重視されず、融資までのハードルは比較的低いと言えます。
不動産を所有している企業にとっては、有効な資金調達手段と言えるでしょう。
不動産担保ローンは中小企業の資金調達にもおすすめ!
中小企業が資金調達に苦労しがちな背景には、銀行融資の審査ハードルが高いなどの現状があります。
しかし、諦める必要はありません。
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