適切な融資を受けることは、不動産業を営むうえで重要な要素の一つです。しかし、融資を受ける手続きや流れについて、十分に理解している方は少ないのではないでしょうか。
この記事では、不動産業における融資の事例、主な借入先や融資を受ける流れについて詳しく解説します。
不動産業における融資の事例
不動産業では、適切な融資を受けられるかどうかが、事業の成長を左右します。まずは、実際どのような状況で融資が必要になるのか、不動産業の融資事例をいくつか紹介します。
仕入れ資金
不動産業では、マンション、戸建て、土地など、物件を仕入れるために高額の資金が必要です。自己資金だけで仕入れをする不動産会社は非常に少なく、多くの場合、金融機関やローン会社からの融資を利用します。
つなぎ融資
短期間の資金不足を補うために、つなぎ融資を利用する事例もあります。不動産業におけるつなぎ融資とは、売却予定の不動産を担保として、売却するまでの間に必要な資金を借入れ、不動産の売却代金によって返済するローンを指します。
つなぎ融資のメリットは、売却を待たずに必要資金を調達できる点です。そのため、売却を急ぐゆえに焦って安価な価格で売却したり、条件面で妥協してしまったりするリスクを回避することができます。
担保不動産売却までの運転資金や他社への返済資金を必要としている不動産業者にとって、有効な手段です。
プロジェクト融資
プロジェクト融資は、特定の不動産開発や販売プロジェクトに対して提供される融資です。例えば、中古マンションを購入してリフォーム後に販売するプロジェクトや、土地を購入して区画整理し、戸建て住宅を建設・販売するケースで活用されます。
この融資は、宅地建物取引業免許を保有する法人のみが利用可能であり、プロジェクトの成功を左右する重要な資金源となります。
運転資金
不動産業を安定的に運営するためには、オフィスの賃貸料、広告宣伝費、そして従業員の人件費など、日常的な運転資金が必要です。
これらの経費を賄う目的で、融資を受けるケースもあります。運転資金の融資限度額は、通常、月商の3か月分程度が目安とされています。融資を受けることでキャッシュフローの安定化を図り、事業の持続可能性を高めることが可能です。
不動産会社が運転資金・仕入れ資金の融資を受けるには?
不動産会社が運転資金や仕入れ資金の融資を受けることは、事業を継続するために不可欠な要素です。必要なタイミングで適切な融資を受けるには、信頼できる借入先を見つけることが重要です。ここでは、不動産業の主な借入先として考えられる4つの選択肢を紹介します。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、財務省が管轄する政策金融機関で、中小企業向けの長期融資や新規事業支援の融資を提供しています。
「新規事業を計画している」「企業再建を目指している」「自己資金や担保となる不動産を持っている」など一定の条件をクリアする必要がありますが、不動産業を営む中小企業にとって有力な借入先候補となるでしょう。
日本政策金融公庫の最大の特徴は、民間金融機関と比較して低金利で、返済期間が長い点にあります。一方で、融資の審査には時間がかかり、融資実行までに1か月以上必要な場合もあるため、計画的な資金調達が求められます。
金融機関の保証付融資
不動産業は、銀行からの融資が難しいとされる分野です。しかし、信用保証協会の保証が付いた融資であれば、銀行などの金融機関から資金を調達できる可能性が高まります。
保証付融資とは、万が一返済が滞った際に、信用保証協会が金融機関に対して立て替え払いを行う制度です。この保証を利用するためには、所定の信用保証料を支払う必要がありますが、融資の審査に通りやすくなるというメリットがあります。
ただし、立て替え払いされた金額は返済する義務があるため、保証料の分だけ総支出が増えることを考慮しましょう。
ノンバンクの不動産業向け融資
ノンバンク(銀行以外の金融機関)も、不動産業向けの融資を提供しています。ノンバンクの融資は、独自の基準とノウハウにより、銀行と比較して審査が柔軟であり、迅速な資金調達が可能なケースが多いです。WEBや電話で手軽に申し込めるなど、利便性が高いというメリットもあります。
ただし、融資商品のなかには資金使途が限定的なものもあるため、詳細な条件を確認することが大切です。
不動産担保ローン
不動産担保ローンは、土地や建物などの不動産を担保にすることで借り入れが可能なローン商品です。自社で不動産を保有している場合、不動産担保ローンを利用することで、高額の融資を低金利で受けることができます。返済期間が長いため、資金繰りの負担を軽減できる点も大きな魅力です。
ただし、不動産担保ローンを利用するには、審査があります。審査の基準は、各金融機関によって異なります。そのため、担保となる不動産の評価額が低い、赤字経営であるなど、金融機関の審査基準に合わない場合、融資を断られることも考えられます。
スムーズに融資を受けるなら、銀行と比較して審査の緩いノンバンクの不動産担保ローン専門会社に申込むのがおすすめです。
大手町フィナンシャルでは、他社で断られた不動産についても積極的に融資を行っています。共有持分や借地権、抵当権が設定された物件など、一般的には難しい不動産に対する融資実績も豊富です。
不動産業の資金調達についても、ぜひお気軽にご相談ください。
不動産業が融資を受ける際の流れ
不動産業で事業資金の融資を受けるには、適切な準備と手順が求められます。ここからは、不動産業が融資を受けるときの基本的な流れについて説明します。
融資申請の準備
まずは、融資申請のための準備を進めましょう。必要な書類を揃え、情報収集をしながら、どの金融機関に申し込むかを慎重に検討してください。
また、事業計画書や財務諸表、資金繰り表など、審査で求められる書類は事前にしっかりと整えておくことが大切です。
事前審査とは
銀行などの金融機関では、融資の申し込み前に「事前審査」(仮審査)を行うことがあります。事前審査は、本審査に進む前に行われる簡易的な審査で、これに通過しないと正式な審査に進むことができません。
事前審査の結果は通常数日以内に出ますが、銀行では、本審査に1か月ほどかかることもあります。事前審査を通過したからといって本審査が確実に通るわけではないので、慎重に対応することが大切です。
融資実行までのステップ
融資が実行されるまでの基本的なステップは、以下の通りです。
- 相談・仮申し込み
- 事前審査
- 本申し込み・必要書類の提出
- 面談・審査(本審査)
- 融資の実行
融資を受けるためには、審査に通らなければなりません。銀行の融資基準は厳しく、審査には時間がかかることがありますが、ノンバンクでは最短で翌日融資が可能な場合もあります。
不動産会社が融資を受けるためのポイント
不動産会社が融資を確実に受けるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。
自己資金を確保する
不動産会社が運転資金の確保を目的とした融資を申し込む際、自己資金がまったく無い状態だと融資を受けにくくなります。審査を通過するためにも、自己資金は最低限確保しておきましょう。
将来的な資金不足が予想される場合は、資金が不足する前に融資の申し込みをすることが重要です。
資金繰り表を作成する
資金繰り表は、お金の流れを視覚的に把握できる重要な書類です。金融機関に融資を申し込む場合、資金繰り表の提出を求められることがあります。
資金繰り表をしっかりと作成することで、金融機関に対して事業の健全性を示すことができ、審査に通りやすくなります。
不動産業の運転資金・仕入れ資金の融資は総合不動産担保ローンがおすすめ
不動産業を営むには、運転資金や販売用不動産の仕入れ資金など、さまざまな資金が必要となります。すべてを自己資金で賄うのが難しい場合には、融資の利用を検討しましょう。銀行や日本政策金融公庫からの融資も一つの選択肢ですが、審査に通りにくい場合や、融資の用途が制限される場合もあります。自社で不動産を所有している場合は、スピーディーに資金を調達できるノンバンクの不動産担保ローンの利用がおすすめです。
大手町フィナンシャルの総合不動産担保ローンは、スピーディーな審査プロセスで、最短翌日の融資が可能です。資金使途に制限がなく、仕入れ資金から運転資金まで幅広い用途に利用できるため、不動産業の資金ニーズに応じてご活用いただけます。
▼このような方におすすめ
- 権利調整中(立退き交渉中など)の不動産を担保に借入したい
- 共有持分・借地権・底地を担保に借入したい
- 老朽アパート・再建築不可・狭小物件の仕入れ資金が必要
- 開発許可・宅地造成許可等が必要な不動産を担保に借入したい
- 入札案件の決済資金が急ぎで必要
- プロジェクト資金のつなぎ融資を受けたい
- 他社の返済期日が迫っており、借り換えをしたい
- 不動産業のスキームに詳しい業者から借り入れたい
- 代表者の自宅を担保に借入したい
- 赤字・開業間もないけれど、急ぎで運転資金が必要
専門スタッフが迅速かつ丁寧に対応し、最適な融資プランをご提案いたしますので、銀行の審査に通らなかった場合も、ぜひ大手町フィナンシャルにお気軽にご相談ください。