プロジェクト融資は、不動産開発や建設プロジェクトの資金調達を目的とした融資形態で、特定のプロジェクト案件そのものを担保に資金を借り入れることができます。
不動産会社を対象とした融資で、リスクを抑えて効率的に融資を受けられるのが魅力です。
この記事では、プロジェクト融資の基本的な仕組みやメリット・デメリット、活用事例までわかりやすく紹介します。
プロジェクト融資とは
プロジェクト融資とは、不動産開発や建設プロジェクトの資金調達を目的とした融資形態です。
プロジェクトの収益性や事業計画、対象となる不動産の評価額をもとに融資を受けることができます。
借り入れた資金は、プロジェクト案件の運転資金や建設費用として活用し、プロジェクト完了後、開発した不動産から得たキャピタルで返済を行います。
そのため、返済期間は6か月~1年程度の短期間となるのが一般的です。
また、不動産に特化したプロジェクト融資は、一般的な運転資金よりも高額の借入が可能です。土地や建物を担保とするため、資金調達のハードルが比較的低く、融資を受けやすいのが特徴です。
ただし、金融機関によってはプロジェクトの収益性が重視されるため、事業計画の精査やリスク評価などの審査が行われる点に注意が必要です。
プロジェクト融資の相談先
プロジェクト融資を検討する際には、適切な相談先を選ぶことが重要です。
具体的な相談先としては、以下の金融機関が挙げられます。
- 銀行
- 信用金庫・信用組合
- 不動産担保ローン専門会社(ノンバンク)
銀行は、プロジェクトのスケールに合わせて柔軟な融資条件提示をしてくれることが多く、特に都市銀行や地方銀行は、大規模な不動産開発や再開発プロジェクトに対しても積極的に融資を行う傾向があります。
ただし、審査基準が非常に厳しく、詳細な事業計画書や収益シミュレーションの提出が必要です。また、プロジェクトの内容や規模、収益性によっては、融資を断られる可能性も考慮しておかなければいけません。
地方での中規模プロジェクトや地域貢献型の不動産開発の場合は、信用金庫や信用組合に融資を相談するのも良いでしょう。
信用金庫・信用組合は、地域密着型の金融機関として、地元の不動産会社をサポートする存在です。大手の都市銀行と比べると審査のハードルが低い傾向にあります。
ただし、信用金庫・信用組合の場合、都市銀行に比べて融資額が低く設定されるため、希望する金額に満たないケースも多いです。
不動産担保ローンを専門とするノンバンクは、銀行や信用金庫・信用組合よりも柔軟な審査基準を持っています。
プロジェクトの収益性よりも担保評価を重視するため、銀行融資が難しいプロジェクトでも、高額の資金を調達できる可能性が高いです。
ただし、銀行や信用金庫・信用組合よりも金利はやや高めに設定される傾向にあるため、返済負担を綿密にシミュレーションし、計画的な借入を行うことが重要です。
プロジェクト融資の金利はいくら?
プロジェクト融資の金利は、借入先やプロジェクトのリスク評価により異なりますが、一般的には年率4.0%〜10.0%が相場です。
実際の金利は、金融機関やプロジェクトの規模、収益見込み、担保評価等によって大きく異なります。
信用力が高く、収益性の高いプロジェクトであれば、低金利での融資が期待できる一方で、事業リスクが高いと評価されると、金利が引き上げられることもあるでしょう。
また、プロジェクト融資を利用する際には、金利だけではなく、その他の費用や手数料も含めた総返済額をしっかりと確認し、資金計画を立てることが重要です。
事業の収益見込みと返済負担を見極めたうえで、最適な融資先を選びましょう。
プロジェクト融資の具体例
プロジェクト融資の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 宅地分譲地の仕入資金
- 中古住宅の仕入れ・解体資金
- 中古マンションの仕入れ・リフォーム資金
- 不動産仕入れ資金の借り換え
- オフィスビルの建設資金
- ホテルやリゾート施設の開発資金
- 物流倉庫の建設資金 など
いずれも不動産開発や再販を通じて収益を上げることを目的としたプロジェクトであり、資金使途が明確なのが特徴です。
金融機関も開発後の収益性やリスクを評価しやすいため、比較的融資を受けやすいとされています。
プロジェクト融資のメリット・デメリット
プロジェクト融資は、不動産開発や建設プロジェクトを進めるうえで、メリットの多い有効な資金調達手段ですが、デメリットやリスクがないわけではありません。
プロジェクト融資を利用する際は、メリット・デメリットを把握したうえで、慎重に判断することが求められます。
プロジェクト融資のメリット
- 自己資金を使わず仕入れができる(キャッシュフローの安定化)
- 大規模な資金調達が可能
- 融資の審査条件がわかりやすい
- プロジェクト進捗に応じた資金調達ができる など
プロジェクト融資は、自己資金を温存しながら、土地や建物の仕入れ資金を調達できるため、事業全体のキャッシュフローを安定させることができます。
大規模なプロジェクトを進行しつつも、運転資金に余裕を持たせられるのが大きなメリットです。
プロジェクトの進捗に応じて段階的に融資を受けられるため、資金不足の不安を抱えることなく事業に集中できるでしょう。
プロジェクト融資のデメリット
- 融資実行までに時間がかかる
- プロジェクト自体が失敗したときのリスクが大きい など
プロジェクト融資は、その規模が大きければ大きいほど、事業計画の精査や収益性の審査に時間がかかります。
特に銀行の場合、申し込みから融資実行までに1か月以上はかかるため、急ぎの資金需要には不向きと言えるでしょう。
また、プロジェクトが計画通りに進まなかったり、許認可の取得が頓挫したことによって収益が見込めなくなった場合には、返済負担が重くのしかかります。
特に、市況の変化や開発遅延など、不測の事態に備えたリスク管理が必要です。
銀行でプロジェクト融資を断られるケース
プロジェクト融資は不動産会社にとって重要な資金調達手段ですが、銀行から融資を断られるケースも存在します。
銀行には厳格な審査基準があり、さまざまな要素から融資の可否を判断します。
特に以下のような場合、銀行からプロジェクト融資を断られることが多いため、事前に理解しておくことが重要です。
権利関係が複雑な不動産を担保にする場合
不動産の権利関係が複雑な場合、銀行は融資を渋ることがあります。
例えば、相続による共有名義不動産や複数の第三者の権利が入り混じる物件などは、断られる可能性が高いです。
このような不動産は権利関係の整理に時間がかかり、売却や開発がスムーズに進まないことがあります。
そのため、銀行は融資を提供するリスクが高いと判断し、断る傾向にあるのです。
許認可前の土地の購入資金を借りたい場合
開発用地の購入に際して、許認可が下りる前の土地を担保に融資を受けたいという不動産会社は多いです。
しかし、許認可が下りなければ予定していた開発が進まないリスクが高く、その土地の収益性が確保できません。
そのため、銀行は許認可が下りる前の土地を担保にした融資を避ける傾向にあります。
不動産開発では、造成工事後に許認可が下りるというプロジェクトも存在するため、銀行以外の資金調達方法を検討する必要があるでしょう。
短期転売予定の不動産仕入れ資金を借りたい場合
銀行は、安定した収益を生む長期的なプロジェクトを重視するため、不動産の短期転売を目的としたプロジェクトに対して、融資を断ることが多いです。
短期転売を目的とする場合は、ノンバンクの不動産担保ローンなど、銀行以外の資金調達方法を検討しましょう。
会社の創業年数が短い場合
創業年数が短い不動産会社の場合も、銀行のプロジェクト融資は断られる可能性が高いです。
銀行は過去数年間の財務状況や安定したキャッシュフローを重視するため、設立から間もない企業や業績の実績が少ない企業は、リスクが高いと判断する傾向にあります。
大手町フィナンシャルでは上記のような銀行で断られてしまった場合でもご融資可能なケースがございます。
銀行や、他の金融機関で断られてしまった場合でも、まずはお気軽にご相談ください。
不動産会社向けプロジェクト融資は大手町フィナンシャルにご相談ください
プロジェクト融資は、不動産開発や再開発プロジェクトに必要な資金を提供することで、事業の拡大や成長をサポートします。
審査基準は金融機関ごとに異なるため、プロジェクトの内容やリスクに応じた最適な相談先を選ぶことが大切です。
大手町フィナンシャルでは、不動産事業に精通した専門家がご相談窓口を担当しています。
- 開発許可前の造成用地を担保に融資を受けたい
- 借地・底地・共有名義不動産を担保に融資を受けたい
- 追加工事が必要になり、急な資金需要が発生した
など、さまざまな不動産会社からのご相談を承っております。
複雑な権利関係や短期的な転売計画など、通常の銀行融資では難しいケースでも柔軟に対応いたします。
プロジェクト資金の借入れをお考えの際は、ぜひ大手町フィナンシャルにご相談ください。