不動産業の開業資金はいくら?費用の内訳と融資等の調達方法

不動産業の開業資金はいくら?費用の内訳と融資等の調達方法

不動産業で独立したいけれど、具体的にいくら資金が必要なのか分からない」といった不安をお持ちではありませんか。

仲介業を始めるには、法人設立費用宅建業免許の申請保証協会への加入など、まとまった初期費用が必要です。

また、開業後の運転資金も考慮した資金計画が事業成功のカギを握ります。

本記事では、不動産業の開業に必要な資金の目安とその内訳、コストを抑える工夫、そして審査に通りやすい資金調達方法まで詳しく解説します。

これから独立を目指す方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

不動産業(仲介業)開業の手順

不動産業(宅地建物取引業)の開業は、主に以下の4ステップで行います。

  1. 会社設立・事務所の確保
  2. 専任の宅地建物取引士の設置
  3. 宅地建物取引業免許の申請
  4. 保証協会への加入・営業開始手続き

Step1.会社設立・事務所の確保

法人として開業する場合は、まず法務局で会社設立の登記を行います。

同時に、宅建業法上の要件を満たす事務所を確保しなければなりません。

自宅兼事務所やレンタルオフィスの場合、独立性が保たれているかなど厳しい審査基準があるため注意が必要です。

Step2.専任の宅地建物取引士の設置

宅建業を行う事務所には、業務に従事する者5名につき1名以上の割合で「専任の宅地建物取引士」を設置する義務があります。

経営者自身が資格を持っていない場合は、有資格者を従業員として雇用する必要があります。

Step3.宅地建物取引業免許の申請

事務所の所在地を管轄する都道府県知事(または国土交通大臣)に対し、宅地建物取引業免許の申請を行います。

申請書には、事務所の使用権原を証明する書類や、専任の宅地建物取引士の登録証明などが求められます。

審査期間は都道府県によって異なりますが、概ね30日〜40日程度かかります。

Step4.保証協会への加入・営業開始手続き

免許の通知を受けたら、営業保証金を供託するか、保証協会(宅地建物取引業保証協会)に加入して弁済業務保証金分担金を納付します。

多くの事業者は初期費用を抑えるために保証協会へ加入します。

これらの手続き完了後、免許証の交付を受け、晴れて営業開始となります。

不動産業の開業資金はいくら必要?総額の目安

費用

不動産業の開業資金は、法人か個人か、あるいはフランチャイズに加盟するかによって大きく異なります。

それぞれのケースにおける初期費用の目安を見ていきましょう。

パターン①:法人として開業する場合(約400万円~)

法人設立には定款認証や登録免許税などの費用がかかるため、個人事業主よりも初期コストは高くなります。

保証協会への加入費用や事務所取得費、備品代などを含めると、最低でも400万円程度の資金を用意しておくのが無難です。

社会的信用が得やすく、融資審査でも有利になる傾向があります。

パターン②:個人事業主として開業する場合(約350万円~)

個人事業主であれば法人設立費用がかからないため、その分初期費用を抑えられます。

目安としては350万円程度から開業可能です。

ただし、将来的に事業規模を拡大する際に法人成りする手間が発生する点や、社会的信用の面で法人に劣る点は考慮すべきでしょう。

パターン③:フランチャイズに加盟して開業する場合

大手の看板を借りて集客できるフランチャイズ(FC)加盟は魅力的ですが、加盟金や保証金が別途必要です。

加盟金はブランドによって数十万円から数百万円と幅広く、トータルの開業資金は500万円〜1,000万円以上になるケースも珍しくありません。

本部のサポートやシステムを利用できるメリットと、コスト負担のバランスを慎重に検討しましょう。

不動産業の開業にかかる初期費用の内訳

チェックリストにチェックを入れる手元(黄色背景)

不動産業の開業には、以下のような初期費用がかかります。

  1. 法人設立費用・登録免許税
  2. 宅地建物取引業免許の申請手数料
  3. 営業保証金(供託金)と弁済業務保証金分担金
  4. 保証協会の入会金・年会費等
  5. 事務所・店舗の取得費・内装工事費
  6. その他諸経費(什器・備品・システム導入費)

初期費用①:法人設立費用・登録免許税

株式会社を設立する場合、定款認証手数料(約5万円)や登録免許税(最低15万円)、収入印紙代などで約20万〜25万円程度かかります。

合同会社であれば登録免許税が安く、約6万円〜10万円程度で設立可能です。

司法書士に行政手続きを依頼する場合は、別途報酬(数万円〜10万円程度)が発生します。

初期費用②:宅地建物取引業免許の申請手数料

宅建業免許の申請には、審査手数料の納付が必要です。

  • 知事免許(1つの都道府県内に事務所を置く場合):33,000円
  • 大臣免許(複数の都道府県に事務所を置く場合):90,000円

初期費用③:営業保証金(供託金)と弁済業務保証金分担金

不動産業者が取引でトラブルを起こした際、顧客への損害賠償を担保するための金銭を預ける必要があります。

これには「法務局に供託する」か「保証協会に加入する」かの2つの選択肢があります。

法務局に供託する場合(1,000万円)

保証協会に加入しない場合は、法務局へ「営業保証金」として主たる事務所につき1,000万円を供託しなければなりません。

高額な資金が拘束されるため、開業時の選択肢としては一般的ではありません。

保証協会に加入する場合(60万円~)

保証協会に加入すれば、営業保証金の代わりに「弁済業務保証金分担金」を納付することで済みます。

主たる事務所の場合、分担金は60万円です。

初期費用を大幅に圧縮できるため、ほとんどの事業者がこちらを選択します。

初期費用④:保証協会の入会金・年会費等

保証協会への加入には、分担金(60万円)とは別に、入会金や年会費などがかかります。

主要な2つの団体があり、どちらに所属するかで費用や受けられるサービスが異なります。

総額で100万円〜150万円程度(分担金含む)を見込んでおくと良いでしょう。

全国宅地建物取引業協会連合会(ハトマーク)

通称「全宅(ハトマーク)」は、業界最大規模の団体です。

認知度が高く、横のつながりを作りやすいのが特徴です。

費用は都道府県によって異なりますが、入会金や会費等を合わせて120万〜150万円程度が相場です。

全日本不動産協会(ウサギマーク)

通称「全日(ウサギマーク)」は、手続きのスピード感や合理的な運営に定評があります。

全宅に比べて初期費用が若干安く設定されているケースが多く、110万〜140万円程度で済む場合があります。

初期費用⑤:事務所・店舗の取得費・内装工事費

事務所を借りるための敷金・礼金、仲介手数料、前家賃が必要です。

不動産業者の事務所は、接客スペースの確保など一定の要件を満たす必要があります。

路面店で内装にこだわれば数百万円かかりますが、空中店舗(2階以上)や居抜き物件を選べば、100万円以下に抑えることも可能です。

初期費用⑥:その他諸経費(什器・備品・システム導入費)

デスク、チェア、パソコン、電話機、コピー機などの什器備品に加え、不動産業務支援システムやレインズ(指定流通機構)利用のための環境整備費がかかります。

また、開業をお知らせするホームページ制作費や名刺作成費も忘れてはいけません。

初期費用だけじゃない!当面の「運転資金」も必須

通帳を持つサラリーマン男性

開業後すぐに売上が立つとは限りません。

仲介手数料の入金は契約から数ヶ月後になることも多いため、最低でも半年分程度の運転資金を手元に残しておくべきです。

不動産業の運転資金としては、以下のようなものがあります。

  1. 人件費・採用費
  2. 広告宣伝費(ポータルサイト掲載料など)
  3. その他固定費(地代家賃・通信費・交際費)

運転資金①:人件費・採用費

従業員を雇用する場合、給与や社会保険料が毎月発生します。

特に専任の宅地建物取引士を採用する場合は、資格手当なども考慮しなければなりません。

自分自身の生活費も運転資金の一部として計算に入れておきましょう。

運転資金②:広告宣伝費(ポータルサイト掲載料など)

不動産業において「集客」は生命線です。

SUUMOやLIFULL HOME’S、アットホームなどのポータルサイトへの物件掲載料は、月額数万円〜数十万円単位でかかります。

効果的な集客を行うには、ある程度の広告予算確保が不可欠です。

運転資金③:その他固定費(地代家賃・通信費・交際費)

事務所の家賃、光熱費、インターネット代などの通信費は毎月固定でかかります。

また、大家さんや同業者との関係構築のための交際費や、物件調査のための交通費なども経常的に発生します。

不動産業の開業費用を抑える3つのポイント

POINTの文字と虫眼鏡

資金が潤沢でない場合、初期投資を抑える工夫が必要です。

不動産業の開業費用を抑えるためのポイントは、以下の3点です。

  1. 自宅兼事務所で開業して固定費を削る
  2. 1人社長・家族経営で人件費をカットする
  3. 居抜き物件やレンタルオフィスを活用する

ポイント①:自宅兼事務所で開業して固定費を削る

新たに事務所を借りず、自宅の一部を事務所として使用すれば、敷金・礼金や毎月の家賃を大幅に削減できます。

ただし、居住スペースと業務スペースが明確に区分されていることや、専用の出入り口があることなど、免許申請の要件をクリアする必要があります。

管轄の窓口へ事前に相談することをお勧めします。

ポイント②:1人社長・家族経営で人件費をカットする

開業当初は従業員を雇わず、経営者1人または家族のみで運営すれば人件費を最小限に抑えられます。

経営者自身が宅地建物取引士の資格を持っていれば、専任取引士の設置義務もクリアでき、採用コストもかかりません。

ポイント③:居抜き物件やレンタルオフィスを活用する

以前のテナントの内装や設備が残っている「居抜き物件」を利用すれば、内装工事費や備品購入費を節約できます。

また、最近では宅建業の事務所要件を満たすレンタルオフィスも増えています。

初期費用を安く抑え、立地の良い場所で開業できるというメリットがあります。

開業資金・運転資金を調達する主な方法

ABCの3つのドアの前で選択を迷う女性

自己資金だけで不足する場合は、外部からの資金調達を検討します。

不動産開業において一般的な開業資金・運転資金の調達方法は、以下の4つです。

  1. 日本政策金融公庫(新創業融資制度など)
  2. 自治体の制度融資(信用保証協会付き融資)
  3. 民間の金融機関(銀行・信用金庫)のプロパー融資
  4. 不動産担保ローン(所有不動産がある場合)

方法①:日本政策金融公庫(新創業融資制度など)

政府系金融機関である日本政策金融公庫は、実績のない創業者向けの融資制度が充実しています。 

新創業融資制度」などは無担保・無保証人で利用できる場合があり、金利も比較的低いため、最初に検討すべき選択肢です。

方法②:自治体の制度融資(信用保証協会付き融資)

都道府県や市区町村が、信用保証協会や金融機関と連携して行う融資制度です。

自治体が利子の一部を補給してくれるケースもあり、低金利で借りられる可能性があります。

ただし、審査や手続きに時間がかかる傾向があります。

方法③:民間の金融機関(銀行・信用金庫)のプロパー融資

銀行や信用金庫から直接融資を受ける方法です。 創業直後は信用力が低いため、プロパー融資(保証協会の保証なし)の審査通過は非常にハードルが高いのが現実です。

まずは口座を開設し、実績を作ってから打診するのが一般的です。

方法④:不動産担保ローン(所有不動産がある場合)

自身や親族が所有する不動産を担保に資金を借りる方法です。

担保価値が重視されるため、決算書の内容や創業年数に関わらず、高額な融資を受けられる可能性があります。

銀行融資が難しい場合や、つなぎ資金を急いで確保したい場合に有効な手段です。

特に大手町フィナンシャルでは、開業間もない法人や個人事業主様であっても、独自の審査基準で不動産価値を最大限に評価するため、スムーズな資金調達が可能です。

最短翌日融資」にも対応しており、急ぎで資金が必要な場面でも頼りになります。

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融資審査に通過するためのコツ

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不動産業の開業資金調達に際して、融資審査に通過するためのコツ配下の通りです。

  1. 自己資金要件を満たす(見せ金はNG)
  2. 実現可能性の高い「創業計画書」の作成
  3. 個人の信用情報(クレヒス)と税金納付状況

コツ①:自己資金要件を満たす(見せ金はNG)

多くの融資制度では、創業資金総額の1/10〜1/3程度の自己資金が求められます。

この自己資金は、コツコツと貯蓄してきた通帳の履歴等で証明する必要があります。

知人から一時的に借りて口座に入れただけの「見せ金」は、審査ですぐに見抜かれ、マイナス評価となるため絶対に避けましょう。

コツ②:実現可能性の高い「創業計画書」の作成

「なぜこの場所で開業するのか」「競合との差別化ポイントは何か」「具体的な収支予測は」といった内容を、数字的根拠に基づいて説明できる事業計画書を作成します。

不動産業界での経験や人脈など、自身の強みをアピールすることも重要です。

コツ③:個人の信用情報(クレヒス)と税金納付状況

代表者個人の信用情報であるクレヒス(クレジットヒストリー)は必ずチェックされます。

クレジットカードやローンの支払いに遅延がないか、税金の未納がないかは最低限の条件です。

不安な場合は、事前に信用情報機関(CICなど)で自分の情報を開示請求し、確認しておくと良いでしょう。

「銀行の審査要件を満たすのが難しい」という場合でも、諦める必要はありません

大手町フィナンシャルのような専門性の高いノンバンクであれば、赤字決算や税金の未納(分納中など)があっても、不動産の担保力を重視して柔軟に審査を行います

仕入れ資金やバックファイナンスなど、不動産業者様特有のニーズにも手厚く対応可能です。

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まとめ

不動産業の開業には、法人で約400万円、個人で約350万円の初期費用が目安です。

さらに半年分程度の運転資金も確保しておく必要があります。

自己資金不足なら、公庫や不動産担保ローンの活用が有効です。

特に不動産担保ローンは、創業直後でも担保余力があれば柔軟に資金調達できます。

「開業資金が少し足りない」「銀行審査に落ちた」という方は、大手町フィナンシャルにご相談ください。

当社は不動産業者様向けの融資実績が豊富で、決算内容にかかわらず不動産価値を最大限に評価いたします。

最短翌日のスピード融資も可能ですので、急な仕入れ資金や運転資金の確保にもお役立ていただけます。

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不動産業の開業資金に関してよくある質問

不動産業の開業資金に関して、よくある質問とその回答をいくつかご紹介します。

Q1.自己資金なし(フルローン)でも不動産業を開業できますか?

A.完全に自己資金ゼロでの開業は非常に困難です。

融資審査では「事業への本気度」や「計画性」を測るために自己資金の有無が重視されます。

最低でも開業資金の1〜3割程度は自己資金を用意することをおすすめします。

Q2.宅建業免許の申請から営業開始までどのくらい期間がかかりますか?

A.免許申請から通知まで30〜40日、その後の保証協会手続きを含めると約2ヶ月程度かかります。

書類に不備があるとさらに時間がかかるため、会社設立から営業開始までは余裕を持って3ヶ月程度のスケジュールを見ておくと安心です。

Q3.業界未経験でも不動産開業の融資は受けられますか?

A.未経験の場合、融資のハードルは高くなります。

実務経験がないと事業の成功確度(実現可能性)が低いと判断されやすいためです。

フランチャイズに加盟してノウハウを得るか、経験豊富なスタッフを雇うなどの対策を講じることで、審査の心証を良くすることは可能です。

Q4.開業資金として不動産担保ローンを利用するメリットは何ですか?

A.審査の柔軟性とスピード、そして高額融資が可能な点です。

公庫や銀行のプロパー融資は審査に時間がかかり、個人の信用情報も厳しく見られます。

一方、不動産担保ローンは担保価値を重視するため、創業初期でも数千万円規模の資金を最短数日で調達できる可能性があります。

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